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JCPC西日本9月度セミナー
第2回CS 研究会報告

 第2回CS研究会が平成18年9月22日、大阪のザ・リッツ・カールトン大阪にて、ANA新入社員教育インストラクターの枝理枝子女史、ザ・リッツ・カールトン大阪の人事部アシスタント・ディレクター(副部長)の宝角成敏氏をお招きしご講演頂きました。その受講内容と感想についてご報告いたします。

テーマ:生涯顧客を創る

会場風景

心を伝える接遇 三枝 理枝子(さえぐさ りえこ)女史

三枝 理枝子(さえぐさ りえこ)女史
 今回は、『心を伝える接遇』というテーマで講演していただきました。接遇とは「おもてなし」のこと。
  心を伝える接遇とは、「出会った人に対して心の通じ合えるおもてなしをすること」と定義されていました。そして、それをどの様に実践するのかを言葉や、実際に私たちも一緒に身体を動かしての動作を通じて講演していただきとても解りやすいものでした。
  心を伝える接遇とはお客様の心理、〈このくらいのことはしてくれるだろう〉という期待に、満足ではなく感動を与えたいと思う気持ちを持つ事ではと感じました。常に相手の立場に自分を置き換えて考えてみる。常に先を読んで行動する。常に何かをして差し上げようという気持ちを持つ。その人がどの様に感じるか言葉を選ぶ。
  「気配り」「目配り」「心配り」。相手への思いやりをもって行うサービスには心がこもっていて、相手の心に届くのでしょう。
  クリーニングの世界で、感動なんて与えられるのか?と心のどこかで私は思っていました。シミをきれいに取れば、お客さんの満足は得られるかもしれないけど、感動までは?
  でも、それは作業という気持ちでおこなっているから満足という評価になり、そこにお客様への思いやりの気持ちを込めれば感動や感激といった評価になるように感じました。
  第一印象についても非常に興味をひかれました。人の印象は、出会って15秒できまる。
  人とのコミュニケーションをはかるにおいて第一印象は非常に重要であり、その後の関係において大きなアドバンテージになるとの事です。好印象であれば、心を開くきっかけになり、悪印象では心を閉ざされてしまいかねない。
では、第一印象で好印象を与えるにはどうするのか?
  人は相手の印象をどこで感じているかというと、視覚で約9割判断されているとの事です。つまり、見た目が大事。グッドスマイルと清潔感のある身だしなみが必要であると。それを土台にし、接遇の気持ち、精神があって、様々なサービスのテクニックが生きてくる様に感じました。

報告者 (株)いづみやクリーニング商会 放出店店長泉 宏治


リッツ・カールトンの顧客満足と従業員満足について 宝角 成敏(ほうずみ しげとし)氏

宝角 成敏(ほうずみ しげとし)氏
 リッツ・カールトンが目指す「世界一のラグジュアリホテルになる」をビジョン(究極の目標)と決め、そのビジョンを頂点に置き、以下ミッション(中間目標)・成功への8つの要因・基盤を設定し、従業員教育に取り組まれています。    
 その中で最も印象的だったのが、基盤です。これは、特に従業員教育についてのもので、クレド・モットー、サービスバリューズ、サービスの3ステップ、従業員への約束などがあります。その中に、「お客様に楽しんで頂き・ハッピーになって帰って頂く為に、一人一人のお客様のニーズや願望をも先読みしてお答えする」「紳士淑女をおもてなしするわたくしたちも紳士淑女です」「あたたかい、心からのごあいさつを」「感じのよいお見送りを」「さよならのごあいさつは心をこめて」等があり、接客テクニックよりも、心の教育に力を入れておられます。そしてハッピーになって頂くために「この様にすれば良い」等の具体的なマニュアルは無く、従業員一人一人がお客様に喜んで頂くために、何をすべきかを考え、「お客様が望むサービス」を心がけて仕事をされています。
  さらに驚いたことは、新入社員研修にもマニュアルは無く、従業員全員が同じ目標・理念・思いを共有する事こそが「良いサービス」に繋がると考えておられます。リッツ・カールトンから変わることなく、継続的に実行されたからこそ、今日のリッツ・カールトンがあるのだと思いました。

 

報告者 潟Xテップ店長 堤 亨 

 

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