ワークライフバランス |
前トリンプ・インターナショナル 代表取締役社長 吉越 浩一郎 氏 |
吉越さんは1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社、86年にトリンプ・インターナショナル・ジャパンへマーケティング本部長、代表取締役副社長を経て、92年代表取締役社長に就任、2006年の退任まで業績を常に上げられてきた方です。
自分の中では有り得ない2ヶ月の休暇のお話から講義が始まり、「当たり前のように休むべき」と主張する吉越さんの経歴やフランス語を絡めたジョークなど軽快なトークが飛び交い、ドイツやフランスでは休暇が5〜6週間あり、休む事は欧米では当たり前の事であると、日本と欧米との常識の違いを説明されました。
「会社とは常に変化に対応し新しいマーケットを見逃さない」その為にはワークライフバランスが重要である。
能力は体力をベースに成り立っているとし、体力の上に気力ややる気があって能力がある。
欧米人は余暇を楽しみ、やる気や気力を高めるのに対し、日本人は仕事で蓄積した疲労をとるため余暇は休む。
なるほどなぁと感心しながら聞いていると、吉越さんは「頭を使って過労死はしない、頭を使いすぎて過労で死ぬわけがない」と言われました。
やはり日本の労働環境はなにかおかしいのかと思わせられ、気付いているのに何も変えられない日本人の今を教えられた気がします。
・まず残業を止めるが最初にありき
・全社的な仕事のデッドライン化
・その日に終えなければいけない仕事の明確化
・自律的に時間内に仕事をしてもらう
・仕事をする環境の整備
・個々の仕事ではなく分野をまかす仕事の仕方の徹底
その中で私は「その日に終えなければいけない仕事の明確化」「仕事をする環境の整備」この2点に大変関心を持ちました。
たしかに、クリーニング業務にとって、2ヶ月の休暇などは、なかなか実現出来ない事ですが、吉越先生が言うワークライフバランスは、これからグローバル化し、新しくなる日本経済には不可欠だと思いました。
(星研一) |
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お客様の声を聞け! |
株式会社壱番屋 創業者特別顧問 宗次 徳二 氏 |
自称テレクラオトコ。宗次さんがご自分で仰る言葉だ。照れ屋で暗いオトコという意味らしい。
なるほど話し始めは冗談が多く、講演料の話などきわどい話から始まったが、冗談を言うことで照れ屋さんを隠してらっしゃる様だ。
しかし「苦労は全て報われる」と商売の話になると、切々と宗次さんのすごさが伝わってくる。
経営者は現場主義。現場に出て率先垂範、自ら現場に立ちお客様の声を聞けという。そして創業当時のご自身のタイムカードを出され、午前2時や3時から出社し店や営業車の掃除をされている話。いまは現役を離れイエローエンジェルというNPO活動をされているが、そのホールの玄関から地下鉄の駅までの300mの道を今でも毎朝、早朝から清掃しているという。この一徹さがココイチ(カレーハウスCoCo壱番屋)を業界No1にしたのだ。
そして後半にはなり、ご自身の身の上をお話になられた。
孤児院から2歳のころ、養夫婦に引き取られる。養父は日雇い労働、生活保護を受けながら生活。当初はまともな生活はできず納屋住まい。電気が引けずロウソク生活は15歳まで続く。
すごい話だ。極貧、逆境の中に育ったにもかかわらず、その苦労をバネにここまでココイチを育て上げた宗次さん。素直に感動した。講演を聴いた後は清新な気持ちになり、「仕事を始めた頃の純粋な気持ちに戻り、初心に返って商売をして下さい」という言葉に素直にうなずいたのでした。
(山辺直樹) |
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出来るリーダーになる上司の条件 |
(株)リーダーズアカデミー代表 嶋津 良智 氏 |
最高の上司とはどんな上司か。「魅力」のある上司がいる企業は業績があがるもの。それでは「魅力」ある上司を育成するにはどうすれば良いのか、この講演ではその答えやヒントがたくさんありました。
「人は誰に出会うか、誰に教わるか、誰に相談するか」その出会う上司が、「良い学び、良い言葉、良い思い込み」を与えることが出来れば部下の人格にも影響を与え、良い行動に繋がっていく。人間には感情があり、その感情を揺さぶるような接し方(時には過剰な演技も必要)をすることが部下へ良い影響を及ぼすことが出来る。
上司としてやるべきことは、部下とのコミュニケーションギャップを生まないために互いに期待していることを確認し、そこにあるギャップの解決策を見出すこと。そのことを踏まえ問題が起きたとき上司は部下の成長の芽を潰さないよう的確に判断することが大事である。部下を育てるということではなく、部下の中にある有能な上司を呼び覚ますこと、そしていつの日か、「どうしたらあなたのようになれますか?」と言われるように、特別に熱心に、しかも徹底的にやり続けることが大切である。
この講演のなかで、「今あなたがしていること、またはこれからしようとしていることを、家に帰って家族に胸を張って話せますか?」と問われた時、顔が赤くなっていたような気がしますが、最後には、これからの自分に期待が持て自信を与えてくれたような講演でした。
(最川研) |
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