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第44回 リーダーの思いが未来を作る
3月5日(水)6日(木)の2日間、セミナープラザ東中野において第45回経営管理者講習会が開催された。「顧客中心時代の勝ち残り戦略」 のテーマのもと、多彩なプログラムで充実した成果をあげることができた。 第1日目は、現在フードビジネスコンサルタントとして活躍中の石川幸代氏を招き、「価格戦争に勝ち抜く魅力ある店づくり」、「顧客中心時代の勝ち残り戦略」トーマツコンサルティング 松下芳生氏の講演、「こうして会社を作った」(株)アルファウェーブ 岡本奈美氏と講演頂き、最後に「IDC神戸大会のご案内」を大会実行委員長の西嶋 勲氏より説明頂いた。
翌日は「世界のクリーニング事情」として清洗舎 有山一英氏、住連木まさし氏、「成功哲学の源-ヒマラヤ瞑想法-」ヨガマスター 相川圭子氏よりヨガの実践を交えながらの講演を頂き、最後は「ブランド力」山田敦郎氏の講演をお聞きし終了した。

グラムコ(株)  山田 敦郎 氏

山田先生のグラムコ(株)はブランドを一貫して手がける日本でも数少ない会社です。いままで手がけた会社には「損保ジャパン」、書店の「ブックファースト」、中古車の「ガリバー」など日本で超がつくほど有名な会社があります。

そしてここにきて「ブランド」という言葉が脚光を浴びています。
それには1)モノが売れない、2)デフレで高く売れない、3)他商品との差別化が出来ないなどの企業側の事情があり、顧客側にも1)間違いないものを選びたい、2)自己表現したい、などの理由があるからです。

それではブランドとは何でしょうか?それは「顧客の記憶に蓄積される良い体験・印象の総体」であり「企業からお客様への約束と実行と、その結果生まれるお客様の期待と共感」それらを表すシンボルなのです。すぐ思い浮かべるシャネルやナイキばかりでなく「関サバ・関アジ」などもブランドですし、そればかりか野球の「ゴジラ」、歌手の「アユ」など人もブランドになるのです。

このようにブランドとして認知されれば1)高く売れ(プレミアム価格)、2)多く売れ(優先的選択)、3)長く売れ(ごひいき筋)るのです。

ではブランドになるための条件は何でしょう。それは1)ベンツなどのような卓抜性(匠の気質)、2)お酒の久保田のような公知性(顧客の評判)、3)iMac(アップルコンピュータ)のような独創性(革新発想)、4)セブンイレブンジャパンのような伝説性(ちょっといい話)の4つが挙げられます。そして「媚びない・へつらわない・自画自賛しない・広告に頼らない・口コミで伝わる・露出しすぎない・熱狂的なファンがいる・ころころ変えない・カッコよくオシャレ・名前にインパクト」などの条件があるのです。

ではどうすればブランドになれるのか?それには「お客様の立場に立ち」「お客様にとっての価値を高め」「お客様への約束を確実に実行」する事なのです。それには経営者そのものがブランドの推進者でなくてはならないのです。(山辺直樹)

(有)ゼネラルフード事業スタジオ  石川 幸代 氏

ますますデフレが進行し混迷の度を深める日本経済の中にあって、経営者としては、自らの企業をどのように導いていくかを決断しなければなりません。

クリーニングの場合も同じで、廻りを見れば安売り店が乱立し、「ワイシャツ100円」と言う文字も珍しくなくなりました。では、当社はどうするのか。同じ土俵で勝負するのか、それとも別な差別化で行くのか。
石川先生のお仕事と業種は違えども、不採算店舗を蘇らせることです。数多くの情報を集約し結論を出す、そのためには石川先生のお話はとても参考になりました。
先ず驚いたのは、「レストラン業界で売り上げ不振のお店がやること」でした。
1.格を下げる 2.メニューを増やす 3.(資金があれば)店舗をリニューアルするしかしうまくいった試しはないとのことです。

また、こういうお話もありました。「美味しいだけではダメです。現に有名店のシェフが独立して失敗する例が非常に多いのです。」
クリーニングも全く同じだと思いました。安くしただけではダメ、店をきれいにしただけでもダメ、仕上げやしみ抜きがうまいだけでもダメ。
先生はおっしゃいました。「レストランは食べ物屋じゃないんです。ファッションなんです。食事をしている時間を、如何にくつろいでいただくか、如何に楽しんでいただくか、如何に夢を見ていただくか。そのコンセプトと演出が勝敗を決めるのです。」と。

となれば「クリーニングは洗濯屋じゃないんです。ファッションなんです。・・・・」ここから先は自らみつけるしかありませんね。(小泉希仁)

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