JCPCについて

 我国の多くの産業に見られるように、クリーニング業界も近年著し進歩を遂げてまいりました。第二次大戦後、アメリカ主導の欧州復興計画であるマーシャル・プランの一事業として“英米生産性評議会”が組織されましたが、イギリス側指導者の一人であるグラハム・ハットン氏はアメリカの実績を高く評価し、その著書「我々も繁栄できる」の中で“主産性”の重要性を述ぺております。我国の産業が完全に復興していなかったその頃、生産性運動は官民一体となって産業界に提唱されました。同時に製品の品質向上をはかる品質管理運動も伴って、今日世界的に優れた信頼度の高い日本の産業を形成する母体となっておりました。
 当協議会はそのような産業界にあって、この運動の趣旨普及の中核であった日本生産性本部(現在の杜会経済生産性本部:昨年創立50周年)の指導のもと、昭和33年に設立し、同本部の賛助会員となり今日に至っております。当時の労働省主任職業指導官であった石川淳二氏はクリーニング業も生産性の重要性を大いに力説し、本協議会設立の動機付けとなり、更に設立後中堅管理者セミナー等の講師もしていただきました。当協議会における事業の目的は「生産・営業・労務その他経営に関する科学的管理の研究・調査・普及並びに教育訓練等の実施」で、会員企業の経営改善と発展に貢献してまいりました。
 一方、昭和34年に東京で第一回の国際会議を開催したIDC(INTERNATIONAL DRYCLEANERS CONGRESS)の当初からの主要メンバーでありその創設及ぴ維持発展に協力しております。各国で開催される国際会議には多数の本協議会会員も参加し、海外の先進技術を積極的に学び各杜に導入してまいりました。IDC国際
会議は日本で7回開催され、平成15年11月に神戸大会を実施し、海外32名、国内156名で188名のご参加をいただきました。永年に亘りご指導いただいている産業能率大学大学院教授の小林薫先生に基調講演「新たな価値の創造」をお願いし、さらに国内外のセッションや工場見学など内容の充実した会議になりました。
 今日のような技術革新や文明の進歩の代償として、その結果発生する有害物質による人間の健康障害や地球環境の破壊及び公害防止の為の厳しい規制の影響はクリーニング業界とても例外ではありません。更に、繊維素材の多様化や生活のカジュアル化や日本の人口滅少社会への突入による総需要の減少は業界の将来に危機感を覚えずにはいられません。
 今年で創立57周年を迎えた当協議会は、(株)ポートエム杜長の国永秀男先生からドラッカーマネジメントを学ぴ経営者と次世代の育成に努めるとともに、「当協議会の使命は何か」を常に意識しながら各種のセミナーを実施しました。さらに、ここ数年は西日本委員会も活発に活動し、CS研究会も発足しました。
 来るべき創立60周年に向け、当協議会は時代の変化に適応した使命と体勢を整えながら、会員企業の発展のために一層努カしていく所存です。

日本クリーニング生産性協議会 会長  五十嵐 信保
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